今年は久山秀子の生誕百年にあたる。
本書では隼シリーズ以外に、後年に書かれた捕物小説が読める。
捕物の方が小説としては出来がよく、文章力や構成力というのはいくらでも上達するんだなあ、と思わせる。でも、魅力はやはり隼シリーズにあるところを考えると、小説の魅力って何なんだろうか。
また、雑誌掲載のアンケート回答なども入っており、これはまさしく久山秀子全集である。
この久山秀子、実は男性なのだが、女性の写真を著者近影に使っていたり、読者を欺くお遊びが徹底している。これは『わが師はサタン』の先駆なのか。それとも、ネットで性別を変えて別人になりすまして書き込みしたりするお手本なのか。

ひとつ余談として面白かったこと。手相を見てやろうと言って、女性の手に触れようとすることを、本書作品では知恵のない月並みな行為として、切り捨てられている。
大昔から、そんなオヤジ行為はダサくて嫌がられていたのだ。
今の時代、まだそんなことをやろうとしている人は、大いに反省すべきである。この本でも読んで、顔洗って出直せ。

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