ヨーロッパ映画祭3日目
2004年11月23日 映画ヨーロッパ映画祭の最終日。
1本目はユクセル・ヤヴズ監督のドイツ映画「僕の居場所」
主人公は不法入国者のクルド人の若者。同じく不法入国者で麻薬の売人に身を持ち崩すホモの黒人と友情を深めたり、主人公の両親を密告して殺した男と再会し、その情けなさと卑怯さにやりきれない気持ちになったり。リアルと言えばリアル。でも、こんな人生ちっとも楽しくないのだ。心の休まらない日常のあまりの息苦しさに、このときばかりはハリウッド映画のような、非現実的なハッピーエンドの魔法がほしい、と思った。
2本目はエリック・ヴァン・ルイ監督のベルギー・オランダ映画「アルツハイマー・ケース」これは滅法面白かった。
ヤン・デクレール演ずる殺し屋は、標的が12才の少女だと知り、殺すのを拒否する。権力の座にある依頼人は彼を消そうと刺客をよこす。一方、少女売春を捜査していた警察も彼を追い掛ける。窮地に陥ったかと思いきや、この殺し屋、経験豊富なのか頭がいいのか、依頼人も警察も翻弄してうまく逃げまわる。ところが、である。彼はアルツハイマーで、自分が何をしなければならないか、ホテルのどの部屋に宿泊しているのかなど、腕に書いておかねばならない状態だった。誰かが殺されても、自分の仕業かどうかわからないのだ。
殺し屋の抜け目のない行動もスリリングで面白いし、謎ときも面白い。上映後にヤン・デクレールが語ったように、その謎ときが英語とフランス語の言葉遊びがヒントになっていたのが、日本語の翻訳ではピンとこない部分ではあったが、それでも面白い。エラリイ・クイーンのダイイングメッセージものでそんな経験は山と積んでいるのだ。アルツハイマーゆえのクライマックスでの逆転もある。いやあ、すごい映画だった。
3本目はパブロ・ベルヘール監督のスペイン・デンマーク映画「トレモリノス73」
生殖をテーマにした週刊百科事典の材料として、自らの夫婦の営みをフィルムでおさめる販売員。彼はベルイマン監督の難解な映画に心酔し、ついには妻を主役にした映画をとるに至る。映画はポルノ映画館で上映され、妻はポルノスターになる。
これは去年、「バスク・フィルム・フェスティバル」で上映された作品だが、僕は初見。セックスにまつわる愉快なエピソード満載で、70年代の雰囲気も出ており、渋谷などで上映したらかなり集客力ありそうな感じだ。
相手がおらずに獣姦ばかり撮っている男とか、妻が次々とコスプレしてセックスするのを撮ったあとで、夫が「どれもみんな同じだ」とマンネリに悩んだりするシーンとか、ベルイマンもどきの映像を撮るところとか、軽いみどころが多々ある。
映画見た後に夜勤で仕事に入らねばならなかった僕にとっては、軽いコメディで救われた、という感じだ。
海遊館の天保山マーケットプレースでは今、シュークリーム博覧会を開催している。東京でナムコでやってたのに行き損なっているので、ヨーロッパ映画祭中は毎回のぞいた。今日は天使のシューを食べた。天使の羽根はもっちりした食感のホワイトチョコレートでシューの上にのっている。
前のアイスクリーム博覧会でも感じたことだが、ナンジャタウンに比べてあまりにもスペースが狭すぎて、よく博覧会なんて名のれたもんだ、と、その勇気に驚嘆した。
シュークリームは大好きなんだけど。
1本目はユクセル・ヤヴズ監督のドイツ映画「僕の居場所」
主人公は不法入国者のクルド人の若者。同じく不法入国者で麻薬の売人に身を持ち崩すホモの黒人と友情を深めたり、主人公の両親を密告して殺した男と再会し、その情けなさと卑怯さにやりきれない気持ちになったり。リアルと言えばリアル。でも、こんな人生ちっとも楽しくないのだ。心の休まらない日常のあまりの息苦しさに、このときばかりはハリウッド映画のような、非現実的なハッピーエンドの魔法がほしい、と思った。
2本目はエリック・ヴァン・ルイ監督のベルギー・オランダ映画「アルツハイマー・ケース」これは滅法面白かった。
ヤン・デクレール演ずる殺し屋は、標的が12才の少女だと知り、殺すのを拒否する。権力の座にある依頼人は彼を消そうと刺客をよこす。一方、少女売春を捜査していた警察も彼を追い掛ける。窮地に陥ったかと思いきや、この殺し屋、経験豊富なのか頭がいいのか、依頼人も警察も翻弄してうまく逃げまわる。ところが、である。彼はアルツハイマーで、自分が何をしなければならないか、ホテルのどの部屋に宿泊しているのかなど、腕に書いておかねばならない状態だった。誰かが殺されても、自分の仕業かどうかわからないのだ。
殺し屋の抜け目のない行動もスリリングで面白いし、謎ときも面白い。上映後にヤン・デクレールが語ったように、その謎ときが英語とフランス語の言葉遊びがヒントになっていたのが、日本語の翻訳ではピンとこない部分ではあったが、それでも面白い。エラリイ・クイーンのダイイングメッセージものでそんな経験は山と積んでいるのだ。アルツハイマーゆえのクライマックスでの逆転もある。いやあ、すごい映画だった。
3本目はパブロ・ベルヘール監督のスペイン・デンマーク映画「トレモリノス73」
生殖をテーマにした週刊百科事典の材料として、自らの夫婦の営みをフィルムでおさめる販売員。彼はベルイマン監督の難解な映画に心酔し、ついには妻を主役にした映画をとるに至る。映画はポルノ映画館で上映され、妻はポルノスターになる。
これは去年、「バスク・フィルム・フェスティバル」で上映された作品だが、僕は初見。セックスにまつわる愉快なエピソード満載で、70年代の雰囲気も出ており、渋谷などで上映したらかなり集客力ありそうな感じだ。
相手がおらずに獣姦ばかり撮っている男とか、妻が次々とコスプレしてセックスするのを撮ったあとで、夫が「どれもみんな同じだ」とマンネリに悩んだりするシーンとか、ベルイマンもどきの映像を撮るところとか、軽いみどころが多々ある。
映画見た後に夜勤で仕事に入らねばならなかった僕にとっては、軽いコメディで救われた、という感じだ。
海遊館の天保山マーケットプレースでは今、シュークリーム博覧会を開催している。東京でナムコでやってたのに行き損なっているので、ヨーロッパ映画祭中は毎回のぞいた。今日は天使のシューを食べた。天使の羽根はもっちりした食感のホワイトチョコレートでシューの上にのっている。
前のアイスクリーム博覧会でも感じたことだが、ナンジャタウンに比べてあまりにもスペースが狭すぎて、よく博覧会なんて名のれたもんだ、と、その勇気に驚嘆した。
シュークリームは大好きなんだけど。
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