ベロック・ローンズの『リジー・ボーデン事件』を読んだ。「リジー・ボーデン」と聞いて、大半の人はアイスクリームかヘヴィーメタルバンドを頭に思い浮かべたことだろう。本作はさにあらず、読みやすい女流サスペンスだ。リジー・ボーデンというのはアメリカで起きた迷宮入り事件の容疑者だ。両親を斧で殺した罪で逮捕されたが、証拠不十分で釈放されたのだ。それなのに、なぜか犯人はリジー・ボーデンだとみんな思っているのが、面白い。父親はケチで厳格。母親はまま母で、子供たちに家長たる父には服従するようしつける。リジーはもうとっくに成人したいい大人なのだが、いつまでも家に縛られ、父をこわがっている。普通に恋愛したくても、親が反対するのだ。事件が1892年、日本では明治時代だ。まだ古い家族観が残っていたのだろう。物語を読むかぎり、こんな親なら誰でも斧の1つや2つ降りおろすだろう、と同情できる。きっと、そのような情状酌量があって、リジーは無罪放免となったのではないか。
さて、この小説(翻訳者の仁賀克雄によると、事実と虚構をあわせた「ファクション」なんだって!爺くさいセンス!)、リジー・ボーデン事件について何か新しい仮説を組み立てるとか、犯人は別にいた、という趣向があるわけではない。殺人に至るきっかけとして、恋愛の衝動があった、とするのが新機軸なのか。なんだか実録事件ものを読んだような感じだ。すらすら読めるので、2時間サスペンスっぽくもある。なお、仁賀克雄はリジー・ボーデン事件についての本を近々出すそうだ。切り裂きジャックの本はいっぱいあるのに、リジー・ボーデン事件の本はほとんど無かったので、これは楽しみ。

今日は夜勤明けでノーマイカーフリーチケットを使って、市立図書館と府立図書館とレンタルコミック店をまわった。重い本はその場で読むだけで、次借りることにして、軽い本ばかり借りて来た。ここで言う重い軽いは、内容ではなく、重量です。漫画で影響受けたのは三田紀房の『ドラゴン桜』で、落ちこぼれ学生を東大合格させようとする話。読んでいると、自分も大学受験したくなってくる。受験から20年以上たっているので、そのときの苦しさを忘れているのかもしれないが、どうもちゃんと受験勉強した記憶がないのだ。
マクドナルドのハッピーセットでエンジェルブルーのおもちゃを買い、早速リュックにつけた。背負っているあいだ、自分では見ることができないのが難だ。

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