リッツェ

2004年7月8日 読書
ホルスト・ヤンセンの『リッツェ』を読んだ。
絵画と小説ともにヤンセン自身の作によるポルノグラフィ。
ヤンセンの描く、器官を皮袋に入れただけみたいな肉体には官能を覚えないが、赤裸々でリアルだ。エゴン・シーレやクリムトにも通じるか。でも僕の目には温泉の盜撮みたいに見える。アマチュアの裸体だ。
そして、その小説たるや、描写の魔にとりつかれたかのようなしつような描写がえんえんと続き、会話はほとんど交わされない。
しかし、セックスは描写が命なのかもしれない。
絵で見るかぎり芸術的ではあっても官能的ではない肉体が、文章では俄然輝きを発しだす。
小説の内容は、閉ざされた場所で期間限定での乱交やセックス遊戯、実験の数々を並べるだけという、まあ、ありがちな話で、絵画に描かれる体位もバリエーションに富んでいない。
それなのに、この物語がじゅうぶんエロチックなのは、描写の魔がなせるわざなのだ。

と、まとまりのない文章を書いてしまうほどに、体調はあいかわらず、不調。絶食をすればなんとかなるかと思っているが、それ以前に食欲がない。

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