八切止夫の『日本終末宣言』を読んだ。
73年、八切氏みずからおこした日本シェル出版から出た本で、人生相談に答える体裁をとっている。
冒頭に週刊読売掲載の伊丹十三、西丸震哉(農林省食品総合研究所室長)、高橋晄正(東京大学講師・物療内科)による座談会を再録している。その対談によると、食物に含まれたPCBや水銀によって、20世紀中に1億の人口は半分に減ってしまい、遠からず3千万人だけが生き残ると予測している。終末を迎える日本において、読者から寄せられた相談は、「処女は守れといいますが、終末の日まで守るべきでしょうか」とか「孤独でやりきれない。終末の日までに自分にもやらせてくれる相手を紹介してほしい」とか「人づきあいが悪くてどこに勤めても長続きしません」「鼻を高くしたいのですが整形は大丈夫ですか」とか、「飛び降り自殺を考えてますが、何メートルの高さからがいいですか」とか、終末と直接関係無さそうなテーマまで全般にわたる。八切氏はその相談に答えるというより、その内容をテーマにして言いたい放題展開し、極論や、ミもフタもない議論で、抱えていた悩みが馬鹿馬鹿しくなってしまう不思議な作りになっている。
八切氏は戦国時代や幕末などの本を多数書いた作家だが、あまりちゃんと読んだことがなかった。この本はえらく面白かったので、意識して読んでいこうかと思う。
この本の中で「ほほー」と思ったところは多々あるが、さわりだけでも書き留めておこう。
魔女裁判以降、女性は常日頃から「愛の確認」をするようになったと言う。愛されているということが、自分が焼き殺されないための保険になるからだ。
また、日本人の登山好き、山岳信仰は、いずれ日本が海に沈没するので、そのときの予行演習として山を登っているのだそうだ。
八切氏の本の面白さは珍説だけではない。巻末には、20冊本を注文したら、土地を無料でくれる特典が書いてあったりする。本の宣伝文句もまるで香具師だ。今回の「ズバリ相談」シリーズも『日本人民全滅』『日本埋没』『日本飢餓地帯』『日本人民共和国』等あるらしい。よ、読みたい。
書店に行くと、八切氏の再評価はまさに今はじまったところのようだ。この調子で、日本史もの以外のこんな本も再刊してほしいなあ。
73年、八切氏みずからおこした日本シェル出版から出た本で、人生相談に答える体裁をとっている。
冒頭に週刊読売掲載の伊丹十三、西丸震哉(農林省食品総合研究所室長)、高橋晄正(東京大学講師・物療内科)による座談会を再録している。その対談によると、食物に含まれたPCBや水銀によって、20世紀中に1億の人口は半分に減ってしまい、遠からず3千万人だけが生き残ると予測している。終末を迎える日本において、読者から寄せられた相談は、「処女は守れといいますが、終末の日まで守るべきでしょうか」とか「孤独でやりきれない。終末の日までに自分にもやらせてくれる相手を紹介してほしい」とか「人づきあいが悪くてどこに勤めても長続きしません」「鼻を高くしたいのですが整形は大丈夫ですか」とか、「飛び降り自殺を考えてますが、何メートルの高さからがいいですか」とか、終末と直接関係無さそうなテーマまで全般にわたる。八切氏はその相談に答えるというより、その内容をテーマにして言いたい放題展開し、極論や、ミもフタもない議論で、抱えていた悩みが馬鹿馬鹿しくなってしまう不思議な作りになっている。
八切氏は戦国時代や幕末などの本を多数書いた作家だが、あまりちゃんと読んだことがなかった。この本はえらく面白かったので、意識して読んでいこうかと思う。
この本の中で「ほほー」と思ったところは多々あるが、さわりだけでも書き留めておこう。
魔女裁判以降、女性は常日頃から「愛の確認」をするようになったと言う。愛されているということが、自分が焼き殺されないための保険になるからだ。
また、日本人の登山好き、山岳信仰は、いずれ日本が海に沈没するので、そのときの予行演習として山を登っているのだそうだ。
八切氏の本の面白さは珍説だけではない。巻末には、20冊本を注文したら、土地を無料でくれる特典が書いてあったりする。本の宣伝文句もまるで香具師だ。今回の「ズバリ相談」シリーズも『日本人民全滅』『日本埋没』『日本飢餓地帯』『日本人民共和国』等あるらしい。よ、読みたい。
書店に行くと、八切氏の再評価はまさに今はじまったところのようだ。この調子で、日本史もの以外のこんな本も再刊してほしいなあ。
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