『超高層ホテル殺人事件』
2012年1月11日 読書
森村誠一の『超高層ホテル殺人事件』を読んだ。1971年。
以下、目次
闇の忍び逢い
光の十字架
垂直の死者
高層の密室
逆のアリバイ
屈辱の条件
奇形の閨房
不倫の符号
第二の死者
深夜の空白
空間の盲点
業務委託契約第十二条B項
腐乱した居住者
孤独な経営者
腐乱の接点
殺意のIC
行きずりの恋人
虚空からの遺書
空白の符号
殺人針路
分離された密室
救いなき情死者
超高層ホテルの16階から人が突き落とされた!
もちろん、即死!
問題の16階から逃げた者はいない。犯人はどこから逃げたのか!
と、いうミステリーで、これは発表当初、「なんぼなんでも無理ちゃうか」という意見があって、何階から落ちたか、という階数が変更になった、と記憶している。だが、それが僕の思い違いなのか、本当にそんなことがあったのか、さだかではない。どっち?
16階から消えた犯人の謎は、まず、ミステリーファンなら、考えつくのが、「人形だったのではないか」と「落ちたのは16階からではない」という答えだろう。それは間違いである。衆人環視のもと、正真正銘の人間が高層ビルのイルミネーションの中、落下していったのは16階からである。(九つの答え風)
そうした派手な第一の事件もミステリーファンの心をくすぐるが、後半のアリバイ崩しや、チェーンロックのかかった密室でのトリックなどもあって、じゅうぶんに満足できる出来になっていた。部屋の見取り図や、家系図といったビジュアルが懐かしくてうれしい。
アリバイ崩しで「へえ」、と感じたのは、可能性を考えてみるタイプの謎ではなくて、そのトリックがいかにして現実に可能なのか、が追求されているところだ。たとえば、移動するのに電車では時間が無理な場合、誰でもが飛行機を使えばいいじゃないか、と思うわけだが、飛行機を使うにしてもその時刻表を調べると無理。じゃあ、自家用ジェット機を使えばどうか。しかし、そんなことは可能か、というような思考法だ。これは政治やビジネスにも通じる話で、解決策は思いついても、それを実現させるには何をすればいいのか、が問われるわけだ。
僕の学生時代は、推理小説といえば森村誠一、と相場が決まっていたが、僕は昔ながらの本格探偵小説や、少年ものにみられる冒険活劇の方が好きだったので、森村誠一はあんまり読んでいないのである。せいぜい15冊くらいか。今回読んだ『超高層ホテル殺人事件』だったら、当時の僕が読んでもじゅうぶん納得できる作品だったので、もう少し森村誠一の本を読んでみてもいいかな。
以下、目次
闇の忍び逢い
光の十字架
垂直の死者
高層の密室
逆のアリバイ
屈辱の条件
奇形の閨房
不倫の符号
第二の死者
深夜の空白
空間の盲点
業務委託契約第十二条B項
腐乱した居住者
孤独な経営者
腐乱の接点
殺意のIC
行きずりの恋人
虚空からの遺書
空白の符号
殺人針路
分離された密室
救いなき情死者
超高層ホテルの16階から人が突き落とされた!
もちろん、即死!
問題の16階から逃げた者はいない。犯人はどこから逃げたのか!
と、いうミステリーで、これは発表当初、「なんぼなんでも無理ちゃうか」という意見があって、何階から落ちたか、という階数が変更になった、と記憶している。だが、それが僕の思い違いなのか、本当にそんなことがあったのか、さだかではない。どっち?
16階から消えた犯人の謎は、まず、ミステリーファンなら、考えつくのが、「人形だったのではないか」と「落ちたのは16階からではない」という答えだろう。それは間違いである。衆人環視のもと、正真正銘の人間が高層ビルのイルミネーションの中、落下していったのは16階からである。(九つの答え風)
そうした派手な第一の事件もミステリーファンの心をくすぐるが、後半のアリバイ崩しや、チェーンロックのかかった密室でのトリックなどもあって、じゅうぶんに満足できる出来になっていた。部屋の見取り図や、家系図といったビジュアルが懐かしくてうれしい。
アリバイ崩しで「へえ」、と感じたのは、可能性を考えてみるタイプの謎ではなくて、そのトリックがいかにして現実に可能なのか、が追求されているところだ。たとえば、移動するのに電車では時間が無理な場合、誰でもが飛行機を使えばいいじゃないか、と思うわけだが、飛行機を使うにしてもその時刻表を調べると無理。じゃあ、自家用ジェット機を使えばどうか。しかし、そんなことは可能か、というような思考法だ。これは政治やビジネスにも通じる話で、解決策は思いついても、それを実現させるには何をすればいいのか、が問われるわけだ。
僕の学生時代は、推理小説といえば森村誠一、と相場が決まっていたが、僕は昔ながらの本格探偵小説や、少年ものにみられる冒険活劇の方が好きだったので、森村誠一はあんまり読んでいないのである。せいぜい15冊くらいか。今回読んだ『超高層ホテル殺人事件』だったら、当時の僕が読んでもじゅうぶん納得できる作品だったので、もう少し森村誠一の本を読んでみてもいいかな。
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