狂えるオルランド**
2006年9月5日 読書
さて、『狂えるオルランド』第2巻。
この『狂えるオルランド』はボルヘスが通勤中に何日もかけて読破した、と言ってた書物で、僕もそれに倣って通勤時にだけ読むことにしようと思ったが、本が重いし、短い通勤時間では1年たっても読了できないと思いなおし、普通に読んだ。でも、『神曲』の3倍という長さ。この8月は『狂えるオルランド』にかかりっきりだったと言っていい。
先日、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部を急に読みたくなったのも、15世紀イタリアの本書を読んでいた関係で、イタリアに興味が湧いたからなのだった。
では、続きを。昨日は、オルランドが狂って野獣と化したところまででしたね。
第24歌
ゼルビーノ、裏切り者オドリコに罰として老婆ガブリーナに1年間仕えることを命ずる。
オドリコ、老婆を首吊りにして逃げ出し、ほどなく騎士アルモニオにつかまり自らも首吊りになるが、それは後のはなし。
ゼルビーノとイザベラ、オルランドが暴れた惨状を見て驚く。
ブランディマルテ(オルランドの友)を探してさまよう恋人フィオルディリージ。
マンドリカルド、オルランドが狂ってほうりすてた剣をわがものにしようとして、それを守ろうとゼルビーノと戦う。
マンドリカルド優勢。
イザベラ、命が危ないと判断し、ドラリーチェ姫に懇願してオルランドの剣ドゥリンダーナをマンドリカルドに渡して、戦いを中止させる。
しかし、ゼルビーノ出血多量で、イザベルの腕の中で死ぬ。
ドラリーチェを恋しているロドモンテが、マンドリカルドと一戦。どっちも強いが、これ、異教徒どうしの戦いなのだ。使者が来て、仲間割れしてる場合じゃない、サラセン勢の救援に来てくれと告げて、戦いは中断する。
第25歌
ルッジェーロ、とらわれの騎士を救出したら、それはブラダマンテの兄リッチャルデットだった。
リッチャルデット語る。
妹ブラダマンテ、スペイン王の姫フィオルディスピーナに男と間違われて、惚れられる。ブラダマンテは、自分が女であることを告げたが、恋の炎はおさまらない。
モントーバンに帰ったブラダマンテが、事のいきさつを語るに、喜んだのはリッチャルデット。彼はかねてよりフィオルディスピーナに恋こがれていたのだ。
ニンフの魔法で男の体に変えてもらいました、とでまかせ並べてフィオルディスピーナに会いに行く。兄妹は瓜二つなので、身代わりが可能だったのだ。
幾月かの愛欲の日々。
だが、密告により、姫に手をつけた廉で囚われ、火あぶりに処される直前だったといういきさつ。
リッチャルデット、アルディジェーロの城にかくまってもらう。
アルディジェーロ語る。
弟のマラジージとヴィヴィアーノがフェッラウにとらえられ、腹黒いランフーザの手でバイヨンヌのベルトラージに身柄をあずけられるとのこと。(固有名詞多い!)
兄弟を助けるため、アルディジェーロ、リッチャルデット、ルッジェーロ出発。
第26歌
囚われの兄弟奪還に向かう3人に、勝負を挑んできたマルフィーザ、事情を聞いて奪還チームに加わる。
財宝とひきかえに2人の兄弟を引き渡そうとする取引現場に3人が乱入。
取引相手が裏切ったものと思い込み、両陣営が殺しあい。
マンドリカルド、美しいマルフィーザをロドモンテにあてがって、ドラリーチェの取り合いに決着をつけようとする。アルディジェーロ、リッチャルデット、マラジージ、ヴィヴィアーノらはマルフィーザを守ろうとするが、マンドリカルドの敵じゃない。
ついにマルフィーザが槍をとった。
これがいい勝負。
ロドモンテ、2人の戦いを止めて、一緒にアグラマンテ救出に向かおうと誘う。
ルッジェーロ、ロドモンテを見つけて戦いを挑むが、ロドモンテはアグラマンテ救出が先だと相手にしない。そこにマンドリカルドがしゃしゃり出て来て、じゃあ、俺が戦うと一戦。
ロドモンテ、マンドリカルド、ルッジェーロ、マルフィーザ、それぞれの思惑があるなか、異教徒どうしで四つ巴の戦い。
そこにリッチャルデットらが追いついてきて、マラジージ、魔法によってドラリーチェ姫の馬を走らせる。
ロドモンテとマンドリカルド、愛するドラリーチェを追いかけて戦は中断。
結局、これら異教徒たちは、なんだかんだありながら、アグラマンテ加勢のためパリに向かうってことです。
第27歌
集結するサラセン勢に、シャルル勢、劣勢を強いられる。
大天使ミカエル、この役立たずが!と「不和」をボコボコにする。
「不和」、こんどこそは、と異教徒勢をバラバラにする作戦を始動。
マンドリカルドとグラダッソが剣のとりあいで一戦、ロドモンテとサクリパンテが馬のとりあいで一戦。
ドラリーチェ姫、ロドモンテとマンドリカルドの恋の鞘当て合戦に、マンドリカルドを選ぶ。
ロドモンテ、「女ってやつは!」と愚痴りまくる。
第28歌
「女とは」のエピソード。
アストルフォ王は世界一の美貌を誇っていた。それに並ぶ美貌と評判のジョコンドを呼んで、その顔を見ようとする。
城に向かう途中、忘れ物を取りに帰ったジョコンドは、愛妻が下男に抱かれているのを目撃する。ジョコンド、すっかり憔悴して、美貌などなくしてひどい顔になる。
ジョコンド、王妃が醜い小人と密通しているのを見て、「女とはこういう生き物なのだ」と悟り、美貌を取り戻す。お互い女に裏切られたアストルフォ王とジョコンドは、その美貌をいかして、諸国をめぐって女を食いまくる復讐の旅に出る。
これがまあ、女がひっかかる、ひっかかる。
女あさりに疲れた2人は、共通に抱く相手として1人の女を連れ歩くことにする。
寝るときは女を真中にはさんだ川の字で、抱きたくなったらいつでも抱ける状態。
この女、なんと両脇に男が寝ていながら、第3の男とちちくりあう。
両脇の男たちは、「向こう側の相手とやってるんだな」とお互い思っていて、気がつかなかった。
美男2人が相手する女でも不貞を働くのだから、妻が裏切るなんてあたりまえのことだったんだな、と悟る2人。
ロドモンテはこんなエピソードで「いやはや、女なんて」と嘆き、「おいおい、男の方がもっとひどいぞ」のツッコミも受け付けない。
そこに、ゼルビーノの遺骸を運ぶイザベラが通りかかる。
ロドモンテ、さっきまで「女なんて!」と言ってたくせに、イザベラに一目惚れ。
第29歌
イザベラに迫るロドモンテ。
イザベラは、貞操のかわりに、不死身の薬をさしあげましょう、と約束する。
薬草を煮詰めて、それを身体に塗りつけ、試しに切ってみよ、とイザベラ。
ロドモンテ、イザベラの首をスパーンとはねてから、だまされたことに気づく。イザベラは貞操を守るため、死んだのだ。
ロドモンテ、ゼルビーノとイザベラの遺体をおさめた御堂を建立し、通りかかった者を襲ってはその鎧や財宝を奉納する。
そこにやってきたのが、狂ったオルランド。
ロドモンテと取っ組み合いになり、もろとも橋から落ちる。
岸に流れついたオルランドはアンジェリカと会っても誰だか認識できない。
アンジェリカは魔法の指輪で姿を消して逃げる。
オルランドの狂気はいっこうおさまる気配がない。
馬を殴り殺したり、死んだ馬をひきずって歩いたり、人を真っ二つに引き裂いたり。
第30歌
オルランド、持ち主を殺して入手した馬を乗りつぶしながらひたすら走りまくる。
一方、ドラリーチェを獲得して有頂天のマンドリカルド、ルッジェーロと決闘。
マンドリカルド敗れる。
その頃、ブラダマンテは、ルッジェーロの帰還を心待ちに待っていた。
第31歌
パリに向かうリナルド、見知らぬ若い騎士ヴィドーネ・セルヴァッジョと戦うが、これが血のつながった弟だと知る。
オルランドを探しているブランディマルテ、ロドモンテが待ち構える御堂の橋で戦い、瀕死の重傷。
リナルド勢、ムーア勢に大勝。
グラダッソ(名剣ドゥリンダーナ)VSリナルド(名馬バイアルド)
第32歌
マルフィーザ、アグラマンテの援軍に行き、ブルネッロを引き渡す。ブルネッロ即座に首吊り。
一方、ブラダマンテは、ルッジェーロのそばにいるマルフィーザに嫉妬の炎を焦がし、パリに向けてたつ。
置き忘れられた島アイスランドの女王が、シャルル・マ−ニュ第一の騎士に楯と愛を捧げようとする。
トリスタンの城には一番強い騎士、あるいは一番美しい女性のみ入ることができる。
ブラダマンテ、スウェーデン、ゴティア、ノルウェーの3人の王を一蹴し城に入る。
第33歌
城の絵は、予言者マーリンが未来を予知して描かせた絵だった。
歴史の名シーン説明。
城を出ると、3人の王がブラダマンテに再戦を挑むが、簡単にブラダマンテ勝利。
一方、リナルドVSグラダッソ
怪鳥が名馬バイアルドを襲い、バイアルド逃げ出す。そもそも2人の戦いがバイアルドの取り合いからはじまっていたため、2人は勝負をおあずけにして、手分けしてバイアルドを救出に向かう。
グラダッソ、あっさりとバイアルドを見つけ、そのまま自分のものにしてしまう。
一方、天馬で諸国漫遊のアストルフォ、エティオピア皇帝の苦境を救う。
セナポ皇帝は飲み食いしようとしたら、ハルピュイアが多数あらわれて、食卓ひっくり返すし、料理奪うし、糞まきちらすしで、飢え死にしそうだったのだ。
アストルフォ、恐怖の角笛でハルピュイアを撃退。
第34歌
アストルフォ、ハルピュイアを追って、地獄の入口までたどりつく。
そこで、リディア王の娘の霊魂が語る。
武勇で功のあった騎士アルチェステ、リディア王娘と結婚しようとしたが、リディア王は承諾しなかった。
アルチェステ怒って、リディアと敵対関係のアルメニア王に仕え、リディアを撃ち破る。
しかし、アルチェステはまだリディア王娘に未練があり、彼女の諭しにより、略奪した王国を再建し、逆にアルメニアを撃ち破る。
リディア王娘はアルチェステに命がけの試練を課すが、アルチェステは全部クリアする。
リディア王娘は、結局アルチェステをずっと憎んでおり、試練も「死ねばいいのに」と思って与えていたことを告げる。
アルチェステ、「そんなに嫌われてたのか〜!」と苦しんで悶え死んだ。
そうした私の罪で、地獄につながれているのだ、と。
アストルフォ、地獄の入口をふさいでハルピュイアがもう出てこないようにする。
その後、アストルフォは輝く宮殿にたどりつく。
そこにいたのは、なんと、ヨハネ!
ヨハネはオルランドを正気に戻す方法を知っていた。
要するに、失った「正気」を取り戻せばいいのだ。
そして、それがあるのは、月!
月にはこの世界で失われたものが集まっており、その中にオルランドの「正気」もきっとあるはずだと言う。
第35歌
老爺は忘却の川レテに無数の名札を流す。
「ただ胃袋を食い物で満たすためにのみ生まれついたる惰弱きわまる連中」は、死後、すぐに忘却の中に落とされてしまう。
一方、ブラダマンテ、フィオルディリージに会う。
ロドモンテが待ち構える橋にさしかかったブラダマンテ、ロドモンテを落馬させて、虜を解放する。
フィオルディリージ、ブランディマルテを探してアルルへ。
ブラダマンテ、ルッジェーロの屋敷で、正体を隠してルッジェーロに挑む。
それもこれも、ルッジェーロとマルフィーザの仲を誤解して、不実な男と思い込んでいたから。
セルペンティーノ、グランドニオ、フェッラウらがブラダマンテと戦うが、相手にならない。
ブラダマンテ「互角の戦士を出せ!」とルッジェーロを挑発する。
第36歌
ルッジェーロをおさえて、マルフィーザがブラダマンテに相対する。
期せずして実現した恋敵との決戦。
2人の戦いを仲裁しようとしたルッジェーロ、いつしか三つ巴の戦いに。
ルッジェーロとマルフィーザが兄妹であることがわかり、マルフィーザとブラダマンテ和解する。
ルッジェーロは、父を罠にかけて死に至らしめたのがアグラマンテの家系だと知ったが、アグラマンテを主として仕える身分のため、騎士道精神から、シャルル側に寝返るのを潔しとしない。
第37歌
アイスランド女王の使者ウラニアと侍女が下半身剥き出しで浮かんでいた。
事情を聞いてみると、女嫌いの領主マルガノールのしわざだと言う。
マルガノールは、2人の息子がそれぞれ人妻に横恋慕してその結果命を落としてしまい、それから女を目のかたきにするようになった。
彼の城に近寄った女は鞭打たれたり、衣服を切られたり、首を刎ねられたりするのだ。
ルッジェーロ、ブラダマンテ、マルフィーザ、城に攻め込み、マルガノールをとらえ、女を尊重するよう掟を変更させる。
マルガノールの身柄はウラニアにあずける。
城を出た2人の乙女(ブラダマンテとマルフィーザ)はシャルルのキリスト教陣営に向かう。
ルッジェーロはアグラマンテを主として仕える関係から、アグラマンテの異教徒陣営に向かう。
第38歌
マルフィーザ、洗礼によりキリスト教に改宗。
月から戻ったアストルフォは、各地をまわって着々とシャルル勢の援軍を集結させていた。
このままでは不利とみて、アグラマンテ、騎士の一騎討ちで勝負を決するよう申し入れる。
それぞれの陣営から選ばれて出て来たのは、リナルドとルッジェーロ。
リナルドは相手を思いっきり倒しにかかるが、ルッジェーロにとってリナルドは愛するブラダマンテの兄にあたるのだ。
ルッジェーロ、悩む。
第39歌
リナルド猛攻。ルッジェーロはガ−ド中心で相手に致命傷を与えぬように戦う。
ルッジェーロ劣勢とみてとったアグラマンテ勢がついに試合の約束を破って手を出す。
両軍いりみだれての大乱戦に発展。
アストルフォが各地から集めてきた大軍を相手に、泥だらけの裸で棍棒を振り回して乱入する男がいた。狂ったオルランドだ。
やっとのことでオルランドをおさえつけて、「オルランドの正気」を吸いこませ、オルランド正気を取り戻す。
不利とみてアグラマンテ勢、舟で逃げ出す。
アストルフォが植物を変身させて作り出した船団との海戦。
第40歌
ビゼルダ陥落。
アグラマンテ、グラダッソ、ソブリンVSオルランド、ブランディマルテ、オリヴィエーロ。
一方、ルッジェーロは植物船団に乗り込んでいたサルツァの王、ドゥドーネと対決。
第41歌
ドゥドーネ降参。
ルッジェーロ、囚われていた7人の王を解放するが、アフリカに帰る途中で嵐に遭う。
これはキリストの罰だと信じ、ルッジェーロ改宗を誓う。
一方、異教徒側のグラダッソ、ブランディマルテを倒す。
オルランド、怒る。
第42歌
オルランド、アグラマンテの首をはね、グラダッソを一撃で倒す。
虫の息のブランディマルテに駆け寄ると、ブランディマルテ「よろしくたのむ。私の愛しいフィオルディ…」でこときれ、「…リージ」まで名前を呼べず。
勝敗は決していたため、出血多量で死にかけのソブリンを治療。
オリヴィエーロは馬の下敷きで下半身負傷。
ブラダマンテは、愛するルッジェーロが戻ってこないのにやきもきする。(ルッジェーロは嵐で遭難中)
勝利でうかれるシャルル勢のなかで、リナルドは一人うかない顔をしている。
アンジェリカの行方が気になってしかたがないのだ。
マラジージ、魔性のものたちを使って、アンジェリカの情報を集める。
その結果、アフリカの若者にすべてを捧げて、既にヨーロッパを離れたことを教えるが、リナルドはとことん追い掛けるつもり。名馬バイアルド奪還を口実に出立する。
その途上、リナルド、髪の毛が蛇で、千の目をもつ鬼女に襲われる。
幻の騎士に救われたリナルド、魔法の泉の水を飲んで、アンジェリカへの思いを消し去る。
リナルド、大きな城に招かれる。
城主が魔法の酒杯を出してくる。
この酒杯で飲めば、愛する人が貞節かどうかがわかる。
もしも貞節ならば、すっかり飲み干すことができるが、そうでない場合、胸の上にこぼしてしまうというのだ。
第43歌
リナルド、愛を試すことの愚かさを説いて、杯に手をつけず。
城主は、かつて愛する妻を試して、妻を怒らせ、失ってしまったエピソードを語る。
城をあとにし、舟に乗るリナルド。
船子が語る。
アンセルモという男、妻アルジアが金のために貞操を裏切ると占い師に託宣を受け、悩む。
アルジアを横恋慕していた騎士アドニオは、魔女マントーの力を借りて思いを果たす。
アンセルモ、裏切られた腹いせにアルジアを殺そうとするが、妻の姿が消えてしまう。
アルジアも魔女マントーの力を借りて夫を試し、人のこと言えないでしょ、と思い知らせて、夫婦仲直り。
リナルド、オルランドらと合流。
ブランディマルテを弔う。残された恋人フィオルディリージは、しばらく墓にとどまっていたが、ほどなくして後を追った。
負傷のオリヴィエーロ、隠者の力によって全快。
その奇跡をみて、異教徒側のソブリン、キリスト教に改宗。
第44歌
オルランド御一行様凱旋祝賀パーティ。
リナルドは、妹ブラダマンテをルッジェーロと結婚させようと、父アモーネ公に伝える。
ところが、この父母、勝手にコンスタンティーノ皇帝の世継ぎ、レオーネに嫁がせようと話をすすめていた。
親孝行のブラダマンテは悩むが、ルッジェーロへの愛は止まらない。
シャルル王にたのんで、自分と試合して勝った者と結婚することにしてもらう。
「アホか!すなおにギリシアの王子レオーネと結婚したらこっちも助かるんじゃ!あのレオーネがおまえに勝たれへんのがわかってて言うたな!」と両親は怒り、ブラダマンテを閉じ込める。
兄のリナルドも接触できない厳しさ。
ルッジェーロは困り果て「こうなったら、レオーネを殺して破談にするしかない」と、決心。
ちょうどギリシア軍とブルガリ軍が戦をしていたので、そのどさくさにレオーネを殺してしまおうと、一角獣の騎士の姿で勝手に参戦する。
敗走寸前のブルガリ軍がルッジェーロの活躍で盛りかえすほどの戦いぶりだが、レオーネにはなかなかたどりつけない。
第45歌
その夜、ルッジェーロ、宿で寝ているところを、ウンジャルドが捕縛する。活躍した騎士を引き渡せばほうびがもらえると踏んでのことだ。
戦で息子をなくしたテオドラに身柄がずけられる。
テオドラ、牢屋にルッジェーロを放り込み、いかに残虐な方法でこいつを殺そうかと楽しむ。
レオーネ、一角獣の騎士を敵ながらあっぱれと思っており、勇猛な騎士への共感から、ルッジェーロを脱獄させる。レオーネとルッジェーロのあいだにお互いを認めあう心情が流れる。
そんなとき、フランスからの布令が届く。例の、ブラダマンテと戦って勝てば結婚できる、という取り決め。
レオーネは面白くない。ブラダマンテと戦っても勝ち目はないのだ。
「いや、待てよ。この一角獣の騎士を替え玉に使おう!」
レオーネは、この一角獣の騎士の名がルッジェーロであることを知らない。
ルッジェーロ、助けてもらった恩義から、替え玉役を引き受ける。
正体を隠してブラダマンテと戦うルッジェーロ。
ガンガン攻めるブラダマンテと、愛するブラダマンテを傷つけたくないが、恩義からわざと負けるわけにもいかないルッジェーロ。日が暮れるまで防戦に徹し、約束どおり、結婚が決まる。
愛するブラダマンテをみすみすレオーネに渡してしまったことに嘆いて、ルッジェーロは森の中にさまよい入る。
エルフィーザ、今になってシャルル王にブラダマンテとルッジェーロが結婚の約束をしていたことを告げることができる。
「そうか。今の試合で結婚相手はレオーネに決まったが、先の約束があると知った今、この2人の対決できめることにしよう!」
レオーネVSルッジェーロが告げられる。
レオーネ、真っ青。一角獣の騎士にまた替え玉で出てもらおうとしたが、どこに行ったかわからない。
第46歌
悲しみのルッジェーロは、森のなかで飢え死にでもしてやれと決心していた。
一角獣の騎士を探して森に入ってきたレオーネが、ルッジェーロを見つけて、嘆きの理由を聞く。
すべてを知ったレオーネ、ブラダマンテとの結婚については身をひくことに決める。
シャルル王ら、ブラダマンテの母親以外、全員が祝福する。
ルッジェーロ、ブルガリアの王位につくよう命じられる。
ここにいたって、やっとブラダマンテの欲張りな母親も納得。
パリじゅうで結婚を祝う。
そこに「もともとイスラムだったくせに、この裏切り者!」と乱入してきた者がいた。
ロドモンテだ。
ルッジェーロVSロドモンテ。
激戦の末、鎧と剣のスペックの差でルッジェーロ、ロドモンテを討つ。
以上。
あ〜、面白かった!
この『狂えるオルランド』はボルヘスが通勤中に何日もかけて読破した、と言ってた書物で、僕もそれに倣って通勤時にだけ読むことにしようと思ったが、本が重いし、短い通勤時間では1年たっても読了できないと思いなおし、普通に読んだ。でも、『神曲』の3倍という長さ。この8月は『狂えるオルランド』にかかりっきりだったと言っていい。
先日、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部を急に読みたくなったのも、15世紀イタリアの本書を読んでいた関係で、イタリアに興味が湧いたからなのだった。
では、続きを。昨日は、オルランドが狂って野獣と化したところまででしたね。
第24歌
ゼルビーノ、裏切り者オドリコに罰として老婆ガブリーナに1年間仕えることを命ずる。
オドリコ、老婆を首吊りにして逃げ出し、ほどなく騎士アルモニオにつかまり自らも首吊りになるが、それは後のはなし。
ゼルビーノとイザベラ、オルランドが暴れた惨状を見て驚く。
ブランディマルテ(オルランドの友)を探してさまよう恋人フィオルディリージ。
マンドリカルド、オルランドが狂ってほうりすてた剣をわがものにしようとして、それを守ろうとゼルビーノと戦う。
マンドリカルド優勢。
イザベラ、命が危ないと判断し、ドラリーチェ姫に懇願してオルランドの剣ドゥリンダーナをマンドリカルドに渡して、戦いを中止させる。
しかし、ゼルビーノ出血多量で、イザベルの腕の中で死ぬ。
ドラリーチェを恋しているロドモンテが、マンドリカルドと一戦。どっちも強いが、これ、異教徒どうしの戦いなのだ。使者が来て、仲間割れしてる場合じゃない、サラセン勢の救援に来てくれと告げて、戦いは中断する。
第25歌
ルッジェーロ、とらわれの騎士を救出したら、それはブラダマンテの兄リッチャルデットだった。
リッチャルデット語る。
妹ブラダマンテ、スペイン王の姫フィオルディスピーナに男と間違われて、惚れられる。ブラダマンテは、自分が女であることを告げたが、恋の炎はおさまらない。
モントーバンに帰ったブラダマンテが、事のいきさつを語るに、喜んだのはリッチャルデット。彼はかねてよりフィオルディスピーナに恋こがれていたのだ。
ニンフの魔法で男の体に変えてもらいました、とでまかせ並べてフィオルディスピーナに会いに行く。兄妹は瓜二つなので、身代わりが可能だったのだ。
幾月かの愛欲の日々。
だが、密告により、姫に手をつけた廉で囚われ、火あぶりに処される直前だったといういきさつ。
リッチャルデット、アルディジェーロの城にかくまってもらう。
アルディジェーロ語る。
弟のマラジージとヴィヴィアーノがフェッラウにとらえられ、腹黒いランフーザの手でバイヨンヌのベルトラージに身柄をあずけられるとのこと。(固有名詞多い!)
兄弟を助けるため、アルディジェーロ、リッチャルデット、ルッジェーロ出発。
第26歌
囚われの兄弟奪還に向かう3人に、勝負を挑んできたマルフィーザ、事情を聞いて奪還チームに加わる。
財宝とひきかえに2人の兄弟を引き渡そうとする取引現場に3人が乱入。
取引相手が裏切ったものと思い込み、両陣営が殺しあい。
マンドリカルド、美しいマルフィーザをロドモンテにあてがって、ドラリーチェの取り合いに決着をつけようとする。アルディジェーロ、リッチャルデット、マラジージ、ヴィヴィアーノらはマルフィーザを守ろうとするが、マンドリカルドの敵じゃない。
ついにマルフィーザが槍をとった。
これがいい勝負。
ロドモンテ、2人の戦いを止めて、一緒にアグラマンテ救出に向かおうと誘う。
ルッジェーロ、ロドモンテを見つけて戦いを挑むが、ロドモンテはアグラマンテ救出が先だと相手にしない。そこにマンドリカルドがしゃしゃり出て来て、じゃあ、俺が戦うと一戦。
ロドモンテ、マンドリカルド、ルッジェーロ、マルフィーザ、それぞれの思惑があるなか、異教徒どうしで四つ巴の戦い。
そこにリッチャルデットらが追いついてきて、マラジージ、魔法によってドラリーチェ姫の馬を走らせる。
ロドモンテとマンドリカルド、愛するドラリーチェを追いかけて戦は中断。
結局、これら異教徒たちは、なんだかんだありながら、アグラマンテ加勢のためパリに向かうってことです。
第27歌
集結するサラセン勢に、シャルル勢、劣勢を強いられる。
大天使ミカエル、この役立たずが!と「不和」をボコボコにする。
「不和」、こんどこそは、と異教徒勢をバラバラにする作戦を始動。
マンドリカルドとグラダッソが剣のとりあいで一戦、ロドモンテとサクリパンテが馬のとりあいで一戦。
ドラリーチェ姫、ロドモンテとマンドリカルドの恋の鞘当て合戦に、マンドリカルドを選ぶ。
ロドモンテ、「女ってやつは!」と愚痴りまくる。
第28歌
「女とは」のエピソード。
アストルフォ王は世界一の美貌を誇っていた。それに並ぶ美貌と評判のジョコンドを呼んで、その顔を見ようとする。
城に向かう途中、忘れ物を取りに帰ったジョコンドは、愛妻が下男に抱かれているのを目撃する。ジョコンド、すっかり憔悴して、美貌などなくしてひどい顔になる。
ジョコンド、王妃が醜い小人と密通しているのを見て、「女とはこういう生き物なのだ」と悟り、美貌を取り戻す。お互い女に裏切られたアストルフォ王とジョコンドは、その美貌をいかして、諸国をめぐって女を食いまくる復讐の旅に出る。
これがまあ、女がひっかかる、ひっかかる。
女あさりに疲れた2人は、共通に抱く相手として1人の女を連れ歩くことにする。
寝るときは女を真中にはさんだ川の字で、抱きたくなったらいつでも抱ける状態。
この女、なんと両脇に男が寝ていながら、第3の男とちちくりあう。
両脇の男たちは、「向こう側の相手とやってるんだな」とお互い思っていて、気がつかなかった。
美男2人が相手する女でも不貞を働くのだから、妻が裏切るなんてあたりまえのことだったんだな、と悟る2人。
ロドモンテはこんなエピソードで「いやはや、女なんて」と嘆き、「おいおい、男の方がもっとひどいぞ」のツッコミも受け付けない。
そこに、ゼルビーノの遺骸を運ぶイザベラが通りかかる。
ロドモンテ、さっきまで「女なんて!」と言ってたくせに、イザベラに一目惚れ。
第29歌
イザベラに迫るロドモンテ。
イザベラは、貞操のかわりに、不死身の薬をさしあげましょう、と約束する。
薬草を煮詰めて、それを身体に塗りつけ、試しに切ってみよ、とイザベラ。
ロドモンテ、イザベラの首をスパーンとはねてから、だまされたことに気づく。イザベラは貞操を守るため、死んだのだ。
ロドモンテ、ゼルビーノとイザベラの遺体をおさめた御堂を建立し、通りかかった者を襲ってはその鎧や財宝を奉納する。
そこにやってきたのが、狂ったオルランド。
ロドモンテと取っ組み合いになり、もろとも橋から落ちる。
岸に流れついたオルランドはアンジェリカと会っても誰だか認識できない。
アンジェリカは魔法の指輪で姿を消して逃げる。
オルランドの狂気はいっこうおさまる気配がない。
馬を殴り殺したり、死んだ馬をひきずって歩いたり、人を真っ二つに引き裂いたり。
第30歌
オルランド、持ち主を殺して入手した馬を乗りつぶしながらひたすら走りまくる。
一方、ドラリーチェを獲得して有頂天のマンドリカルド、ルッジェーロと決闘。
マンドリカルド敗れる。
その頃、ブラダマンテは、ルッジェーロの帰還を心待ちに待っていた。
第31歌
パリに向かうリナルド、見知らぬ若い騎士ヴィドーネ・セルヴァッジョと戦うが、これが血のつながった弟だと知る。
オルランドを探しているブランディマルテ、ロドモンテが待ち構える御堂の橋で戦い、瀕死の重傷。
リナルド勢、ムーア勢に大勝。
グラダッソ(名剣ドゥリンダーナ)VSリナルド(名馬バイアルド)
第32歌
マルフィーザ、アグラマンテの援軍に行き、ブルネッロを引き渡す。ブルネッロ即座に首吊り。
一方、ブラダマンテは、ルッジェーロのそばにいるマルフィーザに嫉妬の炎を焦がし、パリに向けてたつ。
置き忘れられた島アイスランドの女王が、シャルル・マ−ニュ第一の騎士に楯と愛を捧げようとする。
トリスタンの城には一番強い騎士、あるいは一番美しい女性のみ入ることができる。
ブラダマンテ、スウェーデン、ゴティア、ノルウェーの3人の王を一蹴し城に入る。
第33歌
城の絵は、予言者マーリンが未来を予知して描かせた絵だった。
歴史の名シーン説明。
城を出ると、3人の王がブラダマンテに再戦を挑むが、簡単にブラダマンテ勝利。
一方、リナルドVSグラダッソ
怪鳥が名馬バイアルドを襲い、バイアルド逃げ出す。そもそも2人の戦いがバイアルドの取り合いからはじまっていたため、2人は勝負をおあずけにして、手分けしてバイアルドを救出に向かう。
グラダッソ、あっさりとバイアルドを見つけ、そのまま自分のものにしてしまう。
一方、天馬で諸国漫遊のアストルフォ、エティオピア皇帝の苦境を救う。
セナポ皇帝は飲み食いしようとしたら、ハルピュイアが多数あらわれて、食卓ひっくり返すし、料理奪うし、糞まきちらすしで、飢え死にしそうだったのだ。
アストルフォ、恐怖の角笛でハルピュイアを撃退。
第34歌
アストルフォ、ハルピュイアを追って、地獄の入口までたどりつく。
そこで、リディア王の娘の霊魂が語る。
武勇で功のあった騎士アルチェステ、リディア王娘と結婚しようとしたが、リディア王は承諾しなかった。
アルチェステ怒って、リディアと敵対関係のアルメニア王に仕え、リディアを撃ち破る。
しかし、アルチェステはまだリディア王娘に未練があり、彼女の諭しにより、略奪した王国を再建し、逆にアルメニアを撃ち破る。
リディア王娘はアルチェステに命がけの試練を課すが、アルチェステは全部クリアする。
リディア王娘は、結局アルチェステをずっと憎んでおり、試練も「死ねばいいのに」と思って与えていたことを告げる。
アルチェステ、「そんなに嫌われてたのか〜!」と苦しんで悶え死んだ。
そうした私の罪で、地獄につながれているのだ、と。
アストルフォ、地獄の入口をふさいでハルピュイアがもう出てこないようにする。
その後、アストルフォは輝く宮殿にたどりつく。
そこにいたのは、なんと、ヨハネ!
ヨハネはオルランドを正気に戻す方法を知っていた。
要するに、失った「正気」を取り戻せばいいのだ。
そして、それがあるのは、月!
月にはこの世界で失われたものが集まっており、その中にオルランドの「正気」もきっとあるはずだと言う。
第35歌
老爺は忘却の川レテに無数の名札を流す。
「ただ胃袋を食い物で満たすためにのみ生まれついたる惰弱きわまる連中」は、死後、すぐに忘却の中に落とされてしまう。
一方、ブラダマンテ、フィオルディリージに会う。
ロドモンテが待ち構える橋にさしかかったブラダマンテ、ロドモンテを落馬させて、虜を解放する。
フィオルディリージ、ブランディマルテを探してアルルへ。
ブラダマンテ、ルッジェーロの屋敷で、正体を隠してルッジェーロに挑む。
それもこれも、ルッジェーロとマルフィーザの仲を誤解して、不実な男と思い込んでいたから。
セルペンティーノ、グランドニオ、フェッラウらがブラダマンテと戦うが、相手にならない。
ブラダマンテ「互角の戦士を出せ!」とルッジェーロを挑発する。
第36歌
ルッジェーロをおさえて、マルフィーザがブラダマンテに相対する。
期せずして実現した恋敵との決戦。
2人の戦いを仲裁しようとしたルッジェーロ、いつしか三つ巴の戦いに。
ルッジェーロとマルフィーザが兄妹であることがわかり、マルフィーザとブラダマンテ和解する。
ルッジェーロは、父を罠にかけて死に至らしめたのがアグラマンテの家系だと知ったが、アグラマンテを主として仕える身分のため、騎士道精神から、シャルル側に寝返るのを潔しとしない。
第37歌
アイスランド女王の使者ウラニアと侍女が下半身剥き出しで浮かんでいた。
事情を聞いてみると、女嫌いの領主マルガノールのしわざだと言う。
マルガノールは、2人の息子がそれぞれ人妻に横恋慕してその結果命を落としてしまい、それから女を目のかたきにするようになった。
彼の城に近寄った女は鞭打たれたり、衣服を切られたり、首を刎ねられたりするのだ。
ルッジェーロ、ブラダマンテ、マルフィーザ、城に攻め込み、マルガノールをとらえ、女を尊重するよう掟を変更させる。
マルガノールの身柄はウラニアにあずける。
城を出た2人の乙女(ブラダマンテとマルフィーザ)はシャルルのキリスト教陣営に向かう。
ルッジェーロはアグラマンテを主として仕える関係から、アグラマンテの異教徒陣営に向かう。
第38歌
マルフィーザ、洗礼によりキリスト教に改宗。
月から戻ったアストルフォは、各地をまわって着々とシャルル勢の援軍を集結させていた。
このままでは不利とみて、アグラマンテ、騎士の一騎討ちで勝負を決するよう申し入れる。
それぞれの陣営から選ばれて出て来たのは、リナルドとルッジェーロ。
リナルドは相手を思いっきり倒しにかかるが、ルッジェーロにとってリナルドは愛するブラダマンテの兄にあたるのだ。
ルッジェーロ、悩む。
第39歌
リナルド猛攻。ルッジェーロはガ−ド中心で相手に致命傷を与えぬように戦う。
ルッジェーロ劣勢とみてとったアグラマンテ勢がついに試合の約束を破って手を出す。
両軍いりみだれての大乱戦に発展。
アストルフォが各地から集めてきた大軍を相手に、泥だらけの裸で棍棒を振り回して乱入する男がいた。狂ったオルランドだ。
やっとのことでオルランドをおさえつけて、「オルランドの正気」を吸いこませ、オルランド正気を取り戻す。
不利とみてアグラマンテ勢、舟で逃げ出す。
アストルフォが植物を変身させて作り出した船団との海戦。
第40歌
ビゼルダ陥落。
アグラマンテ、グラダッソ、ソブリンVSオルランド、ブランディマルテ、オリヴィエーロ。
一方、ルッジェーロは植物船団に乗り込んでいたサルツァの王、ドゥドーネと対決。
第41歌
ドゥドーネ降参。
ルッジェーロ、囚われていた7人の王を解放するが、アフリカに帰る途中で嵐に遭う。
これはキリストの罰だと信じ、ルッジェーロ改宗を誓う。
一方、異教徒側のグラダッソ、ブランディマルテを倒す。
オルランド、怒る。
第42歌
オルランド、アグラマンテの首をはね、グラダッソを一撃で倒す。
虫の息のブランディマルテに駆け寄ると、ブランディマルテ「よろしくたのむ。私の愛しいフィオルディ…」でこときれ、「…リージ」まで名前を呼べず。
勝敗は決していたため、出血多量で死にかけのソブリンを治療。
オリヴィエーロは馬の下敷きで下半身負傷。
ブラダマンテは、愛するルッジェーロが戻ってこないのにやきもきする。(ルッジェーロは嵐で遭難中)
勝利でうかれるシャルル勢のなかで、リナルドは一人うかない顔をしている。
アンジェリカの行方が気になってしかたがないのだ。
マラジージ、魔性のものたちを使って、アンジェリカの情報を集める。
その結果、アフリカの若者にすべてを捧げて、既にヨーロッパを離れたことを教えるが、リナルドはとことん追い掛けるつもり。名馬バイアルド奪還を口実に出立する。
その途上、リナルド、髪の毛が蛇で、千の目をもつ鬼女に襲われる。
幻の騎士に救われたリナルド、魔法の泉の水を飲んで、アンジェリカへの思いを消し去る。
リナルド、大きな城に招かれる。
城主が魔法の酒杯を出してくる。
この酒杯で飲めば、愛する人が貞節かどうかがわかる。
もしも貞節ならば、すっかり飲み干すことができるが、そうでない場合、胸の上にこぼしてしまうというのだ。
第43歌
リナルド、愛を試すことの愚かさを説いて、杯に手をつけず。
城主は、かつて愛する妻を試して、妻を怒らせ、失ってしまったエピソードを語る。
城をあとにし、舟に乗るリナルド。
船子が語る。
アンセルモという男、妻アルジアが金のために貞操を裏切ると占い師に託宣を受け、悩む。
アルジアを横恋慕していた騎士アドニオは、魔女マントーの力を借りて思いを果たす。
アンセルモ、裏切られた腹いせにアルジアを殺そうとするが、妻の姿が消えてしまう。
アルジアも魔女マントーの力を借りて夫を試し、人のこと言えないでしょ、と思い知らせて、夫婦仲直り。
リナルド、オルランドらと合流。
ブランディマルテを弔う。残された恋人フィオルディリージは、しばらく墓にとどまっていたが、ほどなくして後を追った。
負傷のオリヴィエーロ、隠者の力によって全快。
その奇跡をみて、異教徒側のソブリン、キリスト教に改宗。
第44歌
オルランド御一行様凱旋祝賀パーティ。
リナルドは、妹ブラダマンテをルッジェーロと結婚させようと、父アモーネ公に伝える。
ところが、この父母、勝手にコンスタンティーノ皇帝の世継ぎ、レオーネに嫁がせようと話をすすめていた。
親孝行のブラダマンテは悩むが、ルッジェーロへの愛は止まらない。
シャルル王にたのんで、自分と試合して勝った者と結婚することにしてもらう。
「アホか!すなおにギリシアの王子レオーネと結婚したらこっちも助かるんじゃ!あのレオーネがおまえに勝たれへんのがわかってて言うたな!」と両親は怒り、ブラダマンテを閉じ込める。
兄のリナルドも接触できない厳しさ。
ルッジェーロは困り果て「こうなったら、レオーネを殺して破談にするしかない」と、決心。
ちょうどギリシア軍とブルガリ軍が戦をしていたので、そのどさくさにレオーネを殺してしまおうと、一角獣の騎士の姿で勝手に参戦する。
敗走寸前のブルガリ軍がルッジェーロの活躍で盛りかえすほどの戦いぶりだが、レオーネにはなかなかたどりつけない。
第45歌
その夜、ルッジェーロ、宿で寝ているところを、ウンジャルドが捕縛する。活躍した騎士を引き渡せばほうびがもらえると踏んでのことだ。
戦で息子をなくしたテオドラに身柄がずけられる。
テオドラ、牢屋にルッジェーロを放り込み、いかに残虐な方法でこいつを殺そうかと楽しむ。
レオーネ、一角獣の騎士を敵ながらあっぱれと思っており、勇猛な騎士への共感から、ルッジェーロを脱獄させる。レオーネとルッジェーロのあいだにお互いを認めあう心情が流れる。
そんなとき、フランスからの布令が届く。例の、ブラダマンテと戦って勝てば結婚できる、という取り決め。
レオーネは面白くない。ブラダマンテと戦っても勝ち目はないのだ。
「いや、待てよ。この一角獣の騎士を替え玉に使おう!」
レオーネは、この一角獣の騎士の名がルッジェーロであることを知らない。
ルッジェーロ、助けてもらった恩義から、替え玉役を引き受ける。
正体を隠してブラダマンテと戦うルッジェーロ。
ガンガン攻めるブラダマンテと、愛するブラダマンテを傷つけたくないが、恩義からわざと負けるわけにもいかないルッジェーロ。日が暮れるまで防戦に徹し、約束どおり、結婚が決まる。
愛するブラダマンテをみすみすレオーネに渡してしまったことに嘆いて、ルッジェーロは森の中にさまよい入る。
エルフィーザ、今になってシャルル王にブラダマンテとルッジェーロが結婚の約束をしていたことを告げることができる。
「そうか。今の試合で結婚相手はレオーネに決まったが、先の約束があると知った今、この2人の対決できめることにしよう!」
レオーネVSルッジェーロが告げられる。
レオーネ、真っ青。一角獣の騎士にまた替え玉で出てもらおうとしたが、どこに行ったかわからない。
第46歌
悲しみのルッジェーロは、森のなかで飢え死にでもしてやれと決心していた。
一角獣の騎士を探して森に入ってきたレオーネが、ルッジェーロを見つけて、嘆きの理由を聞く。
すべてを知ったレオーネ、ブラダマンテとの結婚については身をひくことに決める。
シャルル王ら、ブラダマンテの母親以外、全員が祝福する。
ルッジェーロ、ブルガリアの王位につくよう命じられる。
ここにいたって、やっとブラダマンテの欲張りな母親も納得。
パリじゅうで結婚を祝う。
そこに「もともとイスラムだったくせに、この裏切り者!」と乱入してきた者がいた。
ロドモンテだ。
ルッジェーロVSロドモンテ。
激戦の末、鎧と剣のスペックの差でルッジェーロ、ロドモンテを討つ。
以上。
あ〜、面白かった!
コメント