都筑道夫の少年小説シリーズ第3巻『蜃気楼博士』を読んだ。
この『蜃気楼博士』は、中学のときだか高校のときだかに読んだのだが、僕にとって、都筑道夫のベストだ。
以下、簡単な覚え書き。
ネタバレ自在。
「蜃気楼博士」
「第一の挑戦 蜃気楼博士」
守護霊が殺人?
老奇術師が遠隔殺人のトリックをあばく。
これぞ少年向け推理小説の最大傑作「蜃気楼博士」だ!
手錠をはめて出入りできないタンスに押し込めておいた人物が「守護霊を使って殺人を犯した」と言う。こんな不可能な話はない!
これに「予告のなされ、かつ実現さるるの章」だの「触れずして、人を殺すの章」などとつければ、まさにカーター・ディクスンの『読者よ欺かるるなかれ』の世界だ!
読者への挑戦もある。
僕の好きな都筑道夫作品はこの『蜃気楼博士』と『七十五羽の烏』で、思えば、カーの作風を意識したものだ。要するに、僕はカーが好きなのだ。
「第二の挑戦 百人一首のなぞ」
暗号。百人一首の読み札の作者名がキーワード。
「第三の挑戦 午後5時に消える」
密室。被害者が密室を作るパターン。
「初刊本あとがき」
この『蜃気楼博士』は意外な犯人、奇術トリックが使われており、こういう作品をはじめて読む読者のなかには、「インチキ」だと言ってしまう者もいた時代だ。
しかし、論理的にたどれば、インチキでも何でもないのだ、と教えてくれる。
プロレスや格闘技を「八百長」とけなすみたいなもので、その手の見当違いは、今では絶滅しており、いかにも時代を感じさせる。
「死体はなぜ歩いたか」
ここからの12編は写真ミステリー。各話、ゲストが写真で登場している。あった、あった、こういう小説。僕も中学時代に「中1時代」とかで読んでいたおぼえがある。
この話は、あおい輝彦が登場。
秘密のメモを万年筆の中に隠した。
あおい輝彦の持っているペンが違うことでわかる。
万年筆にメモがある、というのは、被害者がプールを指していたことで発覚する。
ファウンテンペンの「泉」からプールの水を指していたのだ。
「消えた凶器」
ビレッジシンガーズ。
客席の写真で、途中でいなくなっている客がいる。凶器の処分がその間に行われたのだ。
「宇宙人がやってきた」
コント55号。
クレイトン・ロースンの足跡。(手で小さい足跡つける)
本棚の本が逆さになっているところに隠してある。
コント55号のそっくりさんだと思ってたら、本物だったというオチがすごい。
「月に帰った男」
九重佑三子。
ずいずいずっころばしの歌詞を間違えている部分の文字をひろうと、名前が出て来る。
「ふたりの陽子」
今陽子。(ピンキー)
宝石をガムに包んで、カウンターの裏側にくっつけておく。
「消えた身代金」
松原智恵子。
持っていたカバンと、置いたカバンが違う。
「新幹線爆破計画」
(千葉真一。了解とれずに掲載されず)
サングラスや髪型、服装で、同一人物だと思ってたら、実は別人。
ネクタイが違っているのでわかる。
「消えた文字の秘密」
森田健作。
記憶を取り戻させるショック療法を試みる。
「川田屋」のワゴンの「屋」を塗りつぶして、女もののコートを着た写真を撮り、裏焼きして、自分の名前「田川」を思い出させようとした。
普通に焼いた写真を見ていたため、謎に思えた。
「となりの誘かい事件」
布施明。
本の並びで暗号。
本の「天」を「テン」と読ませることで、いろはの何番目かを特定。
「消えたトラック」
岡崎友紀。
タバコを吸っている手が違うことから、袖に血がついているんじゃないか、と推理。
「ゴムの仮面」
(森進一。これも了解とれずに写真なし。シンイチは肖像権にうるさい?)
手がかりのボタン(コートの背中のかざりボタン)がとれている。
「赤い道化師」
渚ゆう子。
杖の形が違うことから、仕込み杖だとわかる。中には道化師の衣装が隠してある。
「都筑さんとジュニア・ミステリー(加納一朗)」
朝日ソノラマの少年向け小説って、宝庫だったんだな、と思う。
ライトノベルとの違いは、それ専門の作家じゃなくて、大人向けの作家が少年向けに書いているところか。漫画やアニメを小説にしたような軽さはなく、きっちり小説になっている。
この『蜃気楼博士』は、中学のときだか高校のときだかに読んだのだが、僕にとって、都筑道夫のベストだ。
以下、簡単な覚え書き。
ネタバレ自在。
「蜃気楼博士」
「第一の挑戦 蜃気楼博士」
守護霊が殺人?
老奇術師が遠隔殺人のトリックをあばく。
これぞ少年向け推理小説の最大傑作「蜃気楼博士」だ!
手錠をはめて出入りできないタンスに押し込めておいた人物が「守護霊を使って殺人を犯した」と言う。こんな不可能な話はない!
これに「予告のなされ、かつ実現さるるの章」だの「触れずして、人を殺すの章」などとつければ、まさにカーター・ディクスンの『読者よ欺かるるなかれ』の世界だ!
読者への挑戦もある。
僕の好きな都筑道夫作品はこの『蜃気楼博士』と『七十五羽の烏』で、思えば、カーの作風を意識したものだ。要するに、僕はカーが好きなのだ。
「第二の挑戦 百人一首のなぞ」
暗号。百人一首の読み札の作者名がキーワード。
「第三の挑戦 午後5時に消える」
密室。被害者が密室を作るパターン。
「初刊本あとがき」
この『蜃気楼博士』は意外な犯人、奇術トリックが使われており、こういう作品をはじめて読む読者のなかには、「インチキ」だと言ってしまう者もいた時代だ。
しかし、論理的にたどれば、インチキでも何でもないのだ、と教えてくれる。
プロレスや格闘技を「八百長」とけなすみたいなもので、その手の見当違いは、今では絶滅しており、いかにも時代を感じさせる。
「死体はなぜ歩いたか」
ここからの12編は写真ミステリー。各話、ゲストが写真で登場している。あった、あった、こういう小説。僕も中学時代に「中1時代」とかで読んでいたおぼえがある。
この話は、あおい輝彦が登場。
秘密のメモを万年筆の中に隠した。
あおい輝彦の持っているペンが違うことでわかる。
万年筆にメモがある、というのは、被害者がプールを指していたことで発覚する。
ファウンテンペンの「泉」からプールの水を指していたのだ。
「消えた凶器」
ビレッジシンガーズ。
客席の写真で、途中でいなくなっている客がいる。凶器の処分がその間に行われたのだ。
「宇宙人がやってきた」
コント55号。
クレイトン・ロースンの足跡。(手で小さい足跡つける)
本棚の本が逆さになっているところに隠してある。
コント55号のそっくりさんだと思ってたら、本物だったというオチがすごい。
「月に帰った男」
九重佑三子。
ずいずいずっころばしの歌詞を間違えている部分の文字をひろうと、名前が出て来る。
「ふたりの陽子」
今陽子。(ピンキー)
宝石をガムに包んで、カウンターの裏側にくっつけておく。
「消えた身代金」
松原智恵子。
持っていたカバンと、置いたカバンが違う。
「新幹線爆破計画」
(千葉真一。了解とれずに掲載されず)
サングラスや髪型、服装で、同一人物だと思ってたら、実は別人。
ネクタイが違っているのでわかる。
「消えた文字の秘密」
森田健作。
記憶を取り戻させるショック療法を試みる。
「川田屋」のワゴンの「屋」を塗りつぶして、女もののコートを着た写真を撮り、裏焼きして、自分の名前「田川」を思い出させようとした。
普通に焼いた写真を見ていたため、謎に思えた。
「となりの誘かい事件」
布施明。
本の並びで暗号。
本の「天」を「テン」と読ませることで、いろはの何番目かを特定。
「消えたトラック」
岡崎友紀。
タバコを吸っている手が違うことから、袖に血がついているんじゃないか、と推理。
「ゴムの仮面」
(森進一。これも了解とれずに写真なし。シンイチは肖像権にうるさい?)
手がかりのボタン(コートの背中のかざりボタン)がとれている。
「赤い道化師」
渚ゆう子。
杖の形が違うことから、仕込み杖だとわかる。中には道化師の衣装が隠してある。
「都筑さんとジュニア・ミステリー(加納一朗)」
朝日ソノラマの少年向け小説って、宝庫だったんだな、と思う。
ライトノベルとの違いは、それ専門の作家じゃなくて、大人向けの作家が少年向けに書いているところか。漫画やアニメを小説にしたような軽さはなく、きっちり小説になっている。
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